
想いを支えに
「今、こうやって振り返ってみて、娘や孫たちにしゃべっておかなければいけないと思ったのは、この恩返し。世の中の人たちに。」 本書は、岩手県九戸郡野田村の住民による東日本大震災の経験を「聴き書き」した記録である。震度5弱の揺れに襲われた野田村には、大津波が押し寄せ、全世帯の約3割の家屋が被害を受けた。この未曽有の経験とはどのようなものであったのか、またそれ以前の村の暮らしはどのように営まれていたのか、そして人々はこれからの未来をどのように思い描くのか。本書にはこうした、年代も性別も異なる19人の野田村民のさまざまな語りが、聴き取り者とのやりとりを含めて、まとめられている。筆舌に尽くしがたい震災の様子を、ときに涙しながら、後世のためになるならば、とお話をしてくださった。野田村はもちろんのこと、多くの被災地の復興に向けて、また次世代の子どもたちへの教訓としても、本書が寄与するところがあれば幸いである。
- 出版社
- 弘前大学出版会
- 発売日
- 2014-02-01
- ページ数
- 244ページ
- ISBN
- 9784907192099
