
リナ
母国の過酷な状況を逃れて国境を超えた22名の脱出者たち。そのひとりとしての少女リナ。彼女たちを待ち受けるものは何だったのか? 国境の向こう側には、夢見たものがあったのか? 殺人、人身売買、強姦、麻薬、売春——次々と襲いくる悲惨な出来事を乗り越えて、リナはいかに生きたのか。国家はもとよりふつうの意味での家族すら捨てたリナが選んだ新しい家族の形とは? 脱北した若い女性リナの、悪夢のような流転を読みながら、私は日本社会の労働者や路上生活者と接している気分でいた。 闇の労働市場で売られ続けるリナは、世界の奴隷ワーカーの輝ける象徴だ。 激しい怒りも悲しみも虚無もすべて飲み込んで成長するリナを、私はおののき崇める。(星野智幸)
- 出版社
- 現代企画室
- 発売日
- 2011-10-28
- ページ数
- 292ページ
- ISBN
- 9784773811131
