
台湾の養生スープ
台湾の人は、新鮮な鶏肉や魚を買ったとき、まず「スープにしよう」と考えます。焼いたり揚げたりするのは、少し時間が経ってからのこと。手にした瞬間の、一番いい状態を余すところなくいただくための第一選択は、いつだってスープなのです。 どんぶりのように大きな器にたっぷりと注がれた一杯には、素材の栄養がまるごと溶け出しています。それを旨みと一緒に体へ流し込む。日本のスープよりも薄味なのは、最後の一滴まで残さずいただくことを前提としているからです。 このスープに救われた友人の姿を、今もよく覚えています。日本から遊びに来てくれた彼女は、二歳の双子を育てる日々に疲れ果て、心身ともに余裕をなくしているようでした。ところが、食堂で運ばれてきたスープを一口含んだ瞬間、その表情がみるみる和らいでいくのです。 器を抱えるようにして飲み干し、「おいしい」とつぶやく彼女。その様子を見て私は、台湾の人がなぜこれほどまでにスープを大切にしているのか、分かったような気がしました。 この本では、そんな台湾の暮らしのなかにある、心と体にやさしいスープを紹介しています。そこには古くから伝わる家庭の知恵があり、中医学の視点もあります。現地の人が、その効能を意識せずに口にしているものもあるかもしれません。 特別な薬膳としてではなく、日常的に自分を癒す一杯として。この本に並ぶレシピを活用していただけたらうれしいです。(はじめに より) 1章 滋補 体に元気をめぐらせるスープ 2章 暖身 体を温めるスープ 3章 緩和 不調をやわらげるスープ 4章 舒心 心と体を休めるスープ 5章 養顏 肌と体をケアするスープ 6章 搭配 台湾スープに合わせるごはん、麺
- 出版社
- 彩図社
- 発売日
- 2026-02-27
- ISBN
- 9784801308077
