
敵
叫ぶおやすみとか氷るおやすみ デビュー句集『膚』で田中裕明賞と俳人協会新人賞をW受賞した俊英・岩田奎。今年、Forbesが選ぶ「30 Under 30 Asia 2026」にも選ばれた著者による待望の第二句集! 挽肉のあらければ咲く辛夷かな 辛夷が咲くのは、この挽肉が粗いからだったのだ。ひとつの死である挽肉が、粒の粗さのために口の中で弾ける逆説的な生命感。辛夷が 咲くことはまさにそのような現象ではないか。私たちの世界の、思いもよらないきらきらしさと残酷さを、『敵』はこうして取り出してみ せるのである。 ──────服部真里子(歌人) 【収録句より】 蟻地獄蟻がはこびしものも落ち 「皆」 星祭われら虚業のビル灯す 「舌や腸」 春の雨いのちちぢめの飯を食ふ 「力」 鹿啼けり無数の黒い扉のやうに 「ライフ」 枯木コロシアムかならずだれか勝つ 「敵」 氷柱落ち砕けてそこにありつづけ 「水の熱」 残るあぢさゐこれからも見て暮す 「冗談」 【目次】 1 皆 2 舌や腸 3 力 4 ライフ 5 敵 6 水の熱 7 冗談 あとがき
- 出版社
- 書肆侃侃房
- 発売日
- 2026-07-03
- ページ数
- 144ページ
- ISBN
- 9784863857339