
美術と都市
大野芳材, 監修・解説田中久美子, 共著伊藤已令, 共著矢野陽子, 共著安井裕雄, 共著ほか
王立絵画彫刻アカデミーとは……。ルイ一四世のもとで設立され、王の親政開始後にコルベールの庇護のもとで再編されたこの組織が、フランスがイタリア美術と北方美術から学びながら、のちにフランス古典主義と呼ばれる、素描に基礎をおいた知的で明晰、安定のとれた堅牢な画面構成を重視する独自の美術をつくりあげるうえで、最も大きく重要な役向きを与えられたことについては、くりかえし指摘されてきた。だがそれはフランス美術になにをもたらしたといえるのだろう。この組織は野心と精力に満ちた若い美術家が中心になって結成し、厳格な資格審査を経て入会を果たした美術家たちが加わり、毎年七〇名ほどの会員を数えながら旧体制期終末まで存続した。すなわち当代一流の美術家たちの集合体であった。同時に未来の会員となる学生を教育する機関でもあった。アカデミスムがただちに連想させる規則や伝統を墨守する保守的な傾向は草創期にはあてはまらない。むしろ、旧弊に立ち向かう革新的な組織であったことはアカデミー創設の歴史が明らかにする。こうした流れに棹さして、ゴブラン織工房、版画ビジネス、サロン、絵画の蒐集/創作、絵画コレクションなど、一七世紀から一八世紀にかけてなされたこれら創造の軌跡とこの時代に新しい首都として形成されつつあったパリを中心に展開していくさまざまな美的営為を探り、フランス近世美術の進展と精華を明らかにする!
- 出版社
- ありな書房
- 発売日
- 2014-07-09
- ページ数
- 248ページ
- ISBN
- 9784756614346
