百難の後にこそ光明はあれ : 学徒出陣・軍神・回天
亡くなった戦友はもとより、大東亜戦争を通して、日本人がいかに戦ったか、その事実の断片を可能な限り記録し、後世に残すことは、心ある戦争体験者の全てに共通する思いだっただろう。 本書は、そうした先達が血を吐く思いで残した記録をもとに、「日本人がいかに戦ったか」を紡いだ物語である。終戦から八十年、戦争体験者が自ら語ることができなくなる時代にあって、それが今を生きる私たちの責務だと思っている。 本書は特に「若者がいかに戦ったか」に絞ることにした。今の二十代、三十代が心を寄せるきっかけになれば、という思いもある。 その意味で「学徒出陣」編は、当時の大学生が祖国の危機とどう向き合ったのか、軍事的な予備知識なしで比較的入りやすいパートになっている。 「軍神」編と「回天」編は、便宜上分けているが、連続する一つの物語である。「特攻隊はどのようにして生まれたか」が大きなテーマである。 その前史として、「軍神」編では、特殊潜航艇による真珠湾攻撃と、それに続くシドニー湾攻撃、ディエゴ・スアレス湾攻撃の物語を書いている。 続く「回天」編では、特殊潜航艇艇長から回天を考案した黒木博司少佐の軌跡と、第一回の回天出撃までを書いている。 タイトルの「百難の後にこそ光明はあれ」は、広尾彰命の遺書から採ったものである。彼らが辿った道のりは文字通り苦難の連続であった。にもかかわらず彼らが遺した言葉に暗さがないのは、その先に一筋の光明をはっきりと見ていたからである。そしてその光明は、現代を生きる私たちをも照らすものと信じている。 《靖國神社宮司・大塚海夫氏 推薦!》 現代欧州の知性と呼ばれるジャック・アタリは、これからの時代には利他主義に基づく社会が求められ、日本がその手本だと語る。 本書は、究極の利他主義である特攻を始め、「自らの死がどこに繋がっているのかを見いだせずには死ぬに死ねない」当時のエリート学徒士官達がいかにして国難に殉じたかを、彼らの遺書を中心に丹念に読み解き綴った物語である。 第一章 学徒出陣 一 祖国の危機に青年はいかにして戦ったか(一) 二 祖国の危機に青年はいかにして戦ったか(二) 三 戦歿学徒の遺書にどのように真向かうか 四 戦後、学徒兵の手記はどう読まれてきたか 五 われは銃火にまだ死なず 六 ひめゆり学徒隊の記録から見る沖縄戦 第二章 軍神 一 もう一つの真珠湾攻撃 二 あらゆる犠牲を乗り越えて 三 松尾敬宇中佐と菊池千本槍 四 軍神の母・シドニーに還る 五 万里の波濤を乗り越えて 第三章 回天 一 黒木博司少尉、特殊潜航艇艇長を熱望す 二 平泉澄博士と尊皇の大信仰 三 全軍による特攻の魁としての回天 四 黒木・樋口両大尉、大津島で殉職す 五 回天特別攻撃隊・菊水隊出撃す 六 皇統の悠は、此れ一世の能く及ぶ所に非ざるなり あとがき
- 出版社
- 明成社
- 発売日
- 2025-08-01
- ISBN
- 9784905410805
