鏡としての日本文学 : 交響する中日古典
日本文学を紐解くと、そこには中国文学の影響が少なからず散見される。それらを比較することは、中国古典の変容のあり方を発見することにつながり、さらに日本文学・文化の特徴を改めて見出すことになる。 お互いの国の文学を研究することで、それぞれが響きあい、自国の文学を学ぶことのみでは見いだせなかった新たな魅力、意義を知ることにつながる。 日本文学を研究する中国人研究者たち、そして長年中国で日本文学研究・教育に携わった日本人研究者たちによる古典文学の交響。 日本文学を「中国」という他者としての視座から再考し、「国文学」の本質を問い直す。 [序文]鏡としての日本文学ー交響する中日古典◉張龍妹 第1部 漢詩文と仮名文学 「徳」の文学と「あはれ」の文学◉張龍妹 回文和歌と「釈教歌」の水脈ーー「ながきよの とをのねぶりの みなめざめ」の謎を解く◉渡辺秀夫 「凌雲集序」再論ーー文体の視点から◉王格格 『扶桑集』部類項目再検討◉廖栄発 菅原定義勧学会詩序考◉李筱硯 『うつほ物語』俊蔭流離譚における「風」--神仙譚の視点から◉趙小菁 『源氏物語』大君物語における女性主体の叙述ー「男せざりし人」型の脱構築◉馬如慧 日本史書における編年体の変容ーー『栄花物語』を考えるために◉彭溱 [コラム]平安文学における「身」の意識◉高木和子 第2部 説話文学と軍記物語 仏伝文学と龍の形象ーー『釈氏源流』を起点に◉小峯和明 仏典の「僧と美女」の物語の中日における伝播と変容◉趙季玉 説話文学に見る孔子とその弟子たち◉尤芳舟 『今昔物語集』と唐代伝奇における女盗賊の比較◉邱春泉 東アジアにおける「二十四孝」の資料整理と文字校正◉趙俊槐 『大倭二十四孝』における継母への孝行の欠如◉盧俊偉 『太平記』における中国謀士の武人化変容◉艾宇博 歴史はいかに語られるかーー朝鮮軍記物における「美人殺し」逸話をめぐって◉覃思遠 [コラム]ミサキについて◉多田一臣 第3部 古典から近代へ 芥川龍之介『支那游記』に登場する「石黒政吉」とは誰なのかーー南京督軍顧問多賀宗之宅に掛けた「田夫氏の画」の考察をかねて◉曲莉 古典をいかに再生すべきかーー川端康成『古都』を読む◉岳遠坤 「国訳漢文大成」の白話小説日本語訳における「両文体」の応用◉蔡春暁 「伝統演劇」としての越劇の生成ーー宝塚歌劇との比較を通して◉劉嘉ヨウ [コラム]張龍妹先生賛ーー回想『源氏物語の救済』が世に出た頃◉神野藤昭夫 編集後記◉李筱硯 日本文学との出会いーーあとがきに代えて◉張龍妹 龍の妹に贈るーーあとがきのあとがき◉小峯和明
- 出版社
- 勉誠社
- 発売日
- 2025-09-01
- ISBN
- 9784585325543
