
水のにほひ
◆第二句集 眼前の草木虫魚を見つめる陽美保子の眼差しの彼方には生地松江の山河、ことに宍道湖の景が見えているに違いない。 産土で育まれた詩魂が定型という器を得て水のように輝き始める。確かな手触りと清潔な光に満ちた作品世界。韻律の裡に対象と一体となった作者の息遣いを感受するばかりだ。 帯・藤本美和子 ◆収録作品 郭公や火に蹄鉄のすきほとり 白鳥の一羽首立て日暮来る あららぎは雪つむ木なり灰均 白鳥の声のそろひて胸そろふ 昇りつつ朝日ととのふ霜の花 人疎み来て寒禽の美しき 一日の息の充ちたるマスク捨つ 木の息となりゆく梟の寝息 虫のこゑ止みて柩を通しけり 手の平は甲よりさみし紙風船
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2026-05-04
- ページ数
- 172ページ
- ISBN
- 9784781418308
