
人間として
被災地において、なおも「文化」について、「人間」について何を語りうるのか、また何が語られるべきなのか。私たちは一個の「人間として」何を、どのように提示しうるのだろうか。被災の現場を眼前にして、語るべき言葉を失った、もしくは、語るべき言葉をもちえないというのが当然であろう。しかしそれでもなお、語るべき何事かが私たちを突き動かす。その何事かとはたしかに、私たちの心のうちに抱かれた「哀しみ」ではなかっただろうか。この「哀しみ」を表出することの可能性を尋ねること、それがいま私たちに求められている。 東北大学文学研究科の研究者が、それぞれにこの問いに対峙した、その答えの一つひとつがここに提示されている。亡くなられた方たちをはじめ、被災された方々に、どのようにして寄り添うことができるのか、「生きる」方途を改めてどのように考えることができるのか、哀しみをどのように表現しうるのかという視点から、各分野それぞれに相応しい主題について考え抜かれた文章がここに収められている。
- 出版社
- 東北大学出版会
- 発売日
- 2012-03-01
- ページ数
- 203ページ
- ISBN
- 9784861631924
