
大人のための「性教育」 (おそい・はやい・ひくい・たかい No.112)
子どもに語る前に大人のための「性教育」 岡崎 勝(小学校教員)/宮台真司(社会学者) ■■1時間目 そもそも「性教育」って、なんですか? ●学校の「性教育」に期待できるか? 三つの柱は「身体の仕組み」「人権教育」「性愛」/親の関心が高いのは「性犯罪・性暴力」/「性愛」の経験値が低い、教員や親たち ●教員にも親にも「性教育」の資格はない。その理由は……? 一九八〇年代、「新住民化」で変わった生活環境/公園で焚き火ができた時代/昔の子どもたちが外遊びで学んだこと/「身体でつながる感覚」が生まれるとき/「性交」にも必要な「コール&レスポンス」の態勢/「セックスは作業」となった現在 ●性的退却が進んだいま、失われているのは? 「性の過剰」さがあったころ/先輩や同級生、変なおじさんとの関係のなかで/親や教員は絶対に教えられないこと 「性教育」では得られないものは? 学校で「性」を学ぶことが退却につながる?/大切なのは「知識」よりも「動機づけ」/ポジティブな「動機づけ」が得られるかどうか ■■2時間目 「性」とは、なんだろう? 「愛」とは、なんだろう? ●「性愛」の劣化を防ぐことはできるのか? 親が「性」を教えようとすることの悪循環/親は「愛」を子どもに学ばせる存在/「社会」に適応すると「性愛」は劣化する/「性愛」「友愛」に必要な「贈与」の構え ●親もダメ、教員もダメ。子どもたちを導くことができるのは? トラブルやリスクを避けたい大人たち/日本の親はもともと子育てのノウハウを知らない/「言葉・法・損得の外への開かれ」を促すには/「同じ世界を生きている」と思える条件/「コンテンツ教育」と「パントマイム教育」/体験を伝える「旅芸人方式」で/「性」と「愛」を伝えるときには/ワークショップの入口が「性」であるべき理由 ●「性」に関して、法や条例は有効? 「性」問題に対する厳罰主義/援交ブームから起こった条例制定/かつて当たり前だった教員と生徒の交際/いまの民主制で解決できないのは/新住民が民主主義で地域を壊す/「友愛」と「性愛」を欠いた尊厳はない/五〇年間の長い「空っぽ」/「社会」の代わりをする「世間」が消えた/法律や条例を変えても日本はダメ/「友愛」と「性愛」の劣化を「性愛」から切り開く/「性愛」の能力と関係する「友愛」と「公共的関心」 ●「危険」を子どもに、どう知らせる? 子どもに疑うことを教えるのが「性教育」?/「性愛」の経験は知識では補えない ●「性愛ワークショップ」本当に学ぶべき、その中身は? セックスを通じて「絆をつくる」/「アメーバになる」ことで「愛」を育む/性交の「アフォーダンス」と日常の「ミメーシス」/「愛の意味論」を理解する/「損得を超える構え」の入口は損得/〈前半プロセス〉での勘違い/「社交術」の本質とはなにか/一喜一憂からの解放としての「社交術」/「歩留まり的な構え」との違い/〈前半プロセス〉を支えるオーネスティ/〈前半プロセス〉と〈後半プロセス〉のつながり/「性交」の中身に踏み込まずに語れること/相手の目を見る、相手の手を握る/田中泯の「場踊り」を導きの糸にする/「雰囲気」にのまれることとの区別/「育ちの悪い大学生」にどう働きかけるか/決まりを破るだけで入れる「同じ世界」 ●「性の多様性」を、どう捉える? 学校では「認めよう」という流れはあるものの/性的な対象が絞り込まれていない思春期のころ/三人に一人がゲイ、背景を理解する/自分のなかにいろいろな人がいるという感覚 ■■3時間目 「幸せ」な大人になるには、どうしたらいいですか? ●「リスク管理」は大事ではない? 枠の外に出てしまう怖さ/学校の外で得られるドキドキする体験/共犯関係から始まること/不幸や悲しみなしに「愛」は得られない ●「愛」を、どう伝えるか? 予定調和の「性愛」はありえない/体験教育に使える韓国ドラマ/「愛」は社会のカテゴリーを超える ●「責任」を、どう考えるか? 道徳教育に用いるべき一九六〇年代作品/「自己決定」できず、「自己責任」が推奨される日本/八〇年代以降当たり前になった「安心・安全」への要求 ●大人が「覚悟」すべきことは? 失敗を恐れる子どもたち/教員・親に必要なのは罰せられてもいいという構え/子どもにとって有効なことをやりつづけるには/学校に期待しない、そこから始める ■■課外授業 親の私たちに、教えて宮台さん! ●授業のあとで 「性愛」の「魅力・誘惑」を大切にすることで、人は一人前になる/岡崎 勝 小学校教員 「性教育」ならぬ「性愛教育」が不可欠な理由/宮台真司 社会学者 Oha通信 不登校のあとの暮らし方 「働く」までのまわり道④ 外に出るきっかけ/野田彩花 フリーライター うちのツレはカナリア 「空気」に反応する家族との暮らし④ 悩ましい「香害」への理解/三島亜紀子 論文漫画家 アニメをこんなふうに観てみると? 『ラーヤと龍の王国』が描く「相手を信じる力」とは/村瀬 学 児童文化研究者 〈お・は〉編集人の学校再生提案④ 教員の多忙さと「快感の原理」/岡崎 勝 小学校教員
- 出版社
- ジャパンマシニスト社
- 発売日
- 2022-01-25
- ページ数
- 192ページ
- ISBN
- 9784880496627
