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王朝活劇 歌の声

王朝活劇 歌の声

高野澄

遊びをせんとや生(うま)れけむ、 戯(たわぶ)れせんとや生れけん、 遊ぶ子供の聲きけば、 我が身さえこそ動(ゆる)がるれ。 練達のヒストリー・テラーによる、奇想天外な歴史ファンタジー小説! 主題は軽やかに展開するが、背後に隠れているメッセージを読者に読みとってほしい。 この時代だからこそ伝えたい。 この国を覆う閉塞感、政治不信と平和不信に陥っている、 私たち現代人への問い掛け! 平安時代の京都と昭和時代の東京のあいだを往ったり来たりする物語。 後白河法皇は、昭和時代の東京で、グンブが威張っているのがお気に召さない。 そこで、「平安時代の流行歌の今様(いまよう)歌を東京で流行させ、 ひとのこころを平安にすればグンブが威張れるのはむずかしくなるはずだ」と、 まあ、このようにお考えになったんですね。 東京に住む声のいい女の子を拉致して京都に集め、 ―今様の本場の美濃(みの・岐阜県)の青墓(あおはか)の 歌い手たちを青墓傀儡(くぐつ)というのですが― 彼女たちに今様歌のレッスンを受けさせ、東京に送り込む作戦をたてた。 ここまではいいが、さて、その先は、となると、 ゴタゴタ、テンデンバラバラの繰り返し。 そして、昭和11(1936)年、2月26日の恐怖の大事件が結末となる。 * 後白河法皇(1127~92) 名は雅仁(まさひと)。 熾烈をきわめた権力闘争のなか、二条天皇、平清盛などと対立し、 幾度となく幽閉され、院政も停止されたが、 たくみな権謀でその度に復権している「治天の君」である。 源頼朝による鎌倉幕府の武家政権とは多くの軋轢も抱えたが、 その後の公武関係の枠組みを構築、 古代末期の政治過程の中に大きな役割を果たした。 和歌は不得手であったようだが、当時流行した 今様(いまよう)を『梁塵秘抄』に書きとどめるなど、 文化的にも大きな功績を残している。 後白河院は、乙前(おとまえ)という遊女を今様の師とし、 当代一の芸能者となり、戯歌、男女の機微などを歌う 今様歌謡の編集・集成を手掛けた。 * 今様とは、平安時代中期から鎌倉時代の流行歌謡であり、 遊女たちが唄った今様には、貴族の文学にはない、 素朴な詩情が溢れている。

出版社
人文書館
発売日
2019-10-07
ページ数
368ページ
ISBN
9784903174402

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