王国を見にいくと言い残して
失ってはならない涙と 消えない光がある 傷つきやすいこの世界に詩人がいてくれてうれしい わたしは蝦名さんの詩や短歌を読んで生きてこられた ー野樹かずみ ひっそりと生き、亡くなった蝦名泰洋の幻の詩集 『カール ハインツ ベルナルト』ほか、詩人の全貌 王国を見にいくと言い残して もどらない彼のことを パンを食べているとき忘れていた 食べるときは忘れているのだ たえまなく浸食される時間の痛みの中で わたしも一筋の傷口である 黒パンには塩分が含まれており 沁みる 王国はどうだったの? と、もどって来たら訊いてみよう (カムパネルラ忌より)
- 出版社
- 書肆侃侃房
- 発売日
- 2025-03-12
- ページ数
- 192ページ
- ISBN
- 9784863856677
