
夜は九夜 日は十日
◆珠玉の句集 この数年、クロノス(時の長さ)とカイロス(その時)について考えていた。時の流れの中のいつか、どこか、だれかと、山を見ることで、本を読むことで、音楽を聴くことで、野を歩くことで触れるかもしれないのだった。風の日も雨の日もあった。雲間から日のの射すときもあった。この世を旅していると思うときもあった。(著者) ◆自選十句 孕み鹿月の裏側通りゆく 遠くまであをぞら遠くまで斑雪 いつよりの掛軸いつより山に藤 月蝕のあひだを吊るさるる単衣 片かげり橋がぽつりと見えはじめ 茂りゐて納骨を待つばかりなる かりがねや水差うつむいてゐたる 裏山は影の領域栗を剥く 神無月巨木の枝が地に触るる 宮殿のつひに霜夜となりにけり
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2026-01-15
- ページ数
- 204ページ
- ISBN
- 9784781417936
