
内村剛介著作集 第2巻
20世紀の希望・ソ連は遂に崩壊した。ソ連崩壊の以前・以後、ソ連を一貫してその「内臓から見つづけてきた」著者が、ロシア人への親愛を保持しながら、社会主義国家ソ連の本質的犯罪性を弾劾する。 ●「街頭」という位相から、〈ソ連〉という謎に迫る ソ連を語るに「クレムリン」という位相は相応しくない。ソ連という謎に迫る方法として著者がとったのは、「街頭」という位相であった。遠く聳立するクレムリン権力を、「街頭」「路上」というリアリティに引き寄せてこれを撃つこと。ここから、声高に叫ばれるスローガンや新聞に溢れる公式報道の陰で、ソ連人はかく生きている、という著者独特の情況論が生み出されていった。こうしてパステルナーク事件からチェルノブイリ原発事故まで、またゴルバチョフのペレストロイカからソ連崩壊まで、ペレストロイカを挟んで、「ソ連」から「ロシア」へなし崩し的に移行する全情況が活き活きと考察される。 ●ユートピアへの磔刑——クリミナル・ソシアリズムの運命 20世紀のユートピアを目指して船出したソ連が行き着いた場所こそ「ユートピアへの磔刑」にほかならなかった——この痛切なパラドックスを踏まえ、ソルジェニーツィンの『収容所群島』に比肩する、J.ロッシ『ラーゲリ(強制収容所)註解辞典』を採りあげながら——ロッシはまた内村剛介の獄友であり、個人的盟友でもある——その「私的註解」という形式を借りて、自ら生み出したラーゲリに喰われて自滅に向かう「クリミナル・ソシアリズム」の諸様相を描く。
- 出版社
- 恵雅堂出版
- 発売日
- 2009-04-30
- ページ数
- 651ページ
- ISBN
- 9784874300428




