
内村剛介著作集 第6巻 日本という異郷
[日本/ジャパン]との確執。著者が「シベリア」から持ち帰った苛酷な尺度に照らすとき、戦後日本、及び日本知識人はどのように映じたか。 ●近くて遠い〈ジャパン〉への眼差し 著者がものを書く究極の関心は言うまでもなく日本そのものにある。しかし、著者にとって眼前の日本は、あえて「ジャパン」と呼んで或る距離を置かざるを得ない、近くて遠い存在でもある。その日本という風土に生まれた湿潤な思想と、その思想を体現する日本知識人に対する冷徹鋭利な批評を(情況論)として発表年代順に収める。 ●「観念の美」を峻拒する——戦後日本知識人批判 著者にはもともと戦後日本の論壇をリードした知識人への本質的な嫌悪がある。「もはや戦後ではない」と喧伝されはじめた頃に帰還した故国で、著者が目撃したのは、社会主義ソ連に膝を屈する戦後左翼の頽廃と、「観念の美」の前に遭難していく知識人たちの無残な姿であった。例えば「有限であるべき闇を無制限に広げる」埴谷雄高批判はその一例である。一方、二葉亭四迷をはじめとする、青春時代から著者の愛好してきた日本の作家たちの肖像を付し、〈情況論〉〈知識人論〉〈作家論〉の三部構成とした。また著者の中国に関する論考をもここに含める。
- 出版社
- 恵雅堂出版
- 発売日
- 2012-04-20
- ページ数
- 625ページ
- ISBN
- 9784874300466
